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眼精疲労とVDT症候群

眼精疲労とVDT症候群眼精疲労とVDT症候群

ASTHENOPIA眼精疲労とは

ASTHENOPIA眼精疲労とはASTHENOPIA眼精疲労とはCopyright: Senju Pharmaceutical Co., Ltd.

目を酷使することによって、疲れ、違和感、痛み、充血、かすみ、まぶしい等様々な目自体の症状の他、頭痛、肩こり、吐き気など、目以外の症状をも伴い、休憩や睡眠を十分にとっても回復しない状態を「眼精疲労」と呼び、いわゆる「疲れ目」が進行した状態を指します。
さらに進行すると、イライラや不安感、抑うつ等の精神的症状を伴う場合もあります。

CAUSE眼精疲労の原因

原因として主に下記の4つがあります。

01.目の問題

  • ①屈折性眼精疲労

    脱力した状態で5m先の文字がよく見え、手元も不自由なく見える状態ですと眼精疲労の発症確率はとても低いです。これは想像に難くありません。逆に遠視、近視、乱視、老視等が存在すると、何らかの手助けをしなければはっきり見えません。代表的な手助けの手段として眼鏡・コンタクト装用がございます。ただ眼鏡等で補正しきれない分は水晶体を動かす筋肉(毛様体筋)を動かすことで調整することになります。この調整が長時間に及ぶと筋肉が凝り固まり、屈折性眼精疲労と呼ばれる状態になります。これが眼精疲労原因の大半を占めますが、目の要因としては他に3つあります。

  • ②不等像性眼精疲労

    左右の近視や遠視度数に大きな差がある場合において、左右の目のピントをそれぞれめいっぱい矯正するような眼鏡を使用すると、網膜に結像したものの大きさが左右で大きく違ってきます。その状態を脳で調整処理しきれなくなると左右で像がずれることで疲れます。

  • ③筋性眼精疲労

    眼球は斜視の頁で述べました通り6つの筋肉(外眼筋)で動かされていますが、脱力した状態で左右の視線が合っていない斜位や斜視の状態ですと外眼筋に力を入れて視線を合わせることをしなければなりません。また、手元を見ようとする時、人は寄り目にすることで左右の視線を合わせますがこれがうまく出来ない(輻湊不全)と余分に力を要します。この眼球の動かす筋肉の疲労に伴うタイプを筋性眼精疲労と呼びます。

  • ④症候性眼精疲労

    もともと健康な目をされていた方が角膜混濁、白内障、緑内障、網膜疾患等に罹患すると、何とかピントの力で見難さを克服しようとして毛様体筋に力が入ります。このタイプを症候性眼精疲労と呼びますが、見難いことに慣れると頑張らなくなるため疲労を自覚し難くなります。

02.精神的な問題

家庭環境、学校、職場での様々なストレスで抑うつ状態となり見難さ、眼精疲労となり得ます。中でも学童期のお子様が家庭環境問題や学校でのいじめで見難さを自覚する場合が散見されます。

03.体の問題

高血圧、高脂血症、糖尿病等の3大メタボリックシンドロームでは動脈硬化により体中の循環が弱くなり得ます。他に低血圧、貧血、自律神経失調症、月経過多、甲状腺疾患、更年期障害でも同様ですが、脳や眼球関連の循環状態が不十分ですと疲れ(眼精疲労)の原因となります。

04.生活環境の問題

現代日本人は老若男女を問わず様々なモニター類:VDT(Visual Display Terminal)に囲まれて生活し、切っても切れない存在になっています。VDT使用時は同じ距離でピントが固定される(毛様体筋の収縮が一定の状態で続く)こと、Displayの微細な点滅に瞳孔が反応し続けること、瞬きが減少することでドライアイとなり角膜表面収差が増えることでピントが合いにくくなり無理にそれを調節力で補おうとして毛様体筋に余分な負荷がかかること等で眼精疲労を生みます。これをVDT症候群と呼びITの発達した現代では社会問題となっています。

TREATMENT眼精疲労の治療

先に述べましたように大きく4つの原因がありますが、全てについて共通するのは「肉体的精神的に適切な休養・休憩」を摂ることです。そのうえで個々の原因に合った治療をお勧めしております。

TREATMENT眼精疲労の治療TREATMENT眼精疲労の治療
  • ①眼鏡・コンタクトの度数調整

    目の問題で屈性性眼精疲労に起因するものは「眼鏡・コンタクトの度数調整」により、より毛様体筋負担の少ない状態を達成すること。不等像性眼精疲労の場合は屈折度数の大きな目の矯正度数を緩和すること。筋性眼精疲労に対してはプリズム眼鏡を作成するか、斜視手術をすること。症候性眼精疲労に対しては、原因眼疾患の治療をすることです。

  • ②精神的な問題の解決

    精神的な問題は眼科で解決することは中々困難ではございますが、問題を認識し、外部サポートも交えて克服すること(児童相談所、転校、転職、心療内科通院)です。

  • ③健診の実施

    体の問題は、健診等未実施で隠れメタボリックや更年期障害の方に症状お持ちの方をお見受けしますので、まずは健診を受けてみられることをお勧めしております。

  • ④VDT症候群の対策

    生活環境の問題は、VDT症候群でよく言われていますが先に述べました適度な休憩以外では、ブルーライトカット眼鏡の使用、ドライアイ対策等が代表的となります。

EYE DROPS眼精疲労の点眼薬

EYE DROPS眼精疲労の点眼薬EYE DROPS眼精疲労の点眼薬

眼精疲労で処方している点眼薬で代表的なものを表記します。

シアノコバラミン(サンコバ®):ビタミンB2、B12配合剤で末梢神経修復や酸素消費量増大作用があり、毛様体筋の活動性を上げます。薬効性能から眼精疲労一般に対し広く使われます。

ネオスチグミンメチル硫酸塩(ミオピン®):副交感神経作動剤で毛様体筋の機能を一時的に高めます。

トロピカミド(ミドリンM®):副交感神経抑制剤で毛様体筋を休ませます。